モルティングを「変数」として捉える #01:浸水スペックが均一で安定した海外産モルトが主流の現代において、モルトは「あらかじめ決まった仕様のものを受け取る」というイメージが一般的かもしれません。しかし私たちは、モルティングを原酒の香味を自由にコントロールするための、最大の「変数」として捉えています。その最初のステップとなるのが、大麦に水を吸わせる「浸水(ステイーピング)」です。大麦は品種や気候、粒の大きさで吸水速度が異なります。これを一律に処理せず、目標水分量をどう設定するかで、その後の成分の動き方は大きく変わります。たとえば、水分量をあえてわずかに抑えめのラインでコントロールすると、大麦内部の酵素の活性化が緩やかになります。すべてを完全に分解し切るのではなく、ウイスキーのコクや余韻の骨格となる「デキストリン」や「アミノ酸」を、狙い通りのバランスで残す方向性へと導くことができます。最初の「浸水」という変数を調整するだけで、仕上がりの成分プロファイルは変わり始めます。与えられたスペックを使うだけでなく、原料の段階から理想の酒質を仕込んでいく。そんな新しいウイスキー造りの選択肢が、この最初
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モルティングを「変数」として捉える #01:浸水スペックが均一で安定した海外産モルトが主流の現代において、モルトは「あらかじめ決まった仕様のものを受け取る」というイメージが一般的かもしれません。しかし私たちは、モルティングを原酒の香味を自由にコントロールするための、最大の「変数」として捉えています。その最初のステップとなるのが、大麦に水を吸わせる「浸水(ステイーピング)」です。大麦は品種や気候、粒の大きさで吸水速度が異なります。これを一律に処理せず、目標水分量をどう設定するかで、その後の成分の動き方は大きく変わります。たとえば、水分量をあえてわずかに抑えめのラインでコントロールすると、大麦内部の酵素の活性化が緩やかになります。すべてを完全に分解し切るのではなく、ウイスキーのコクや余韻の骨格となる「デキストリン」や「アミノ酸」を、狙い通りのバランスで残す方向性へと導くことができます。最初の「浸水」という変数を調整するだけで、仕上がりの成分プロファイルは変わり始めます。与えられたスペックを使うだけでなく、原料の段階から理想の酒質を仕込んでいく。そんな新しいウイスキー造りの選択肢が、この最初
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